昨日に引き続き、カマグラの作用機序に関する記事です。
カマグラの成分の臨床試験結果の観点から、効果を見ていきましょう。
カマグラはPDE5に対して最も強く効果を発揮する
カマグラの成分シルデナフィルは、PDE1からPDE6の中で、PDE5に強い効果を発揮します。
下記の表は、試験管内で行われたシルデナフィル(バイアグラ)の効果倍率に関する実験結果です。
【シルデナフィルが影響を与える各PDEとその比率】
PDE種類 | シルデナフィルが影響を与える
PDEの存在部位 |
効果倍率
(PDE5を1とした場合) |
PDE1 | 心室筋 | 1/80 |
PDE2 | 陰茎海綿体 | 1/19429 |
PDE3 | 陰茎海綿体、心臓、血小板 | 1/4629 |
PDE4 | 骨格筋 | 1/2057 |
PDE5 | 陰茎海綿体、血小板 | 1 |
PDE6 | 網膜 | 1/10 |
参考:バイアグラ錠 勃起機能治療剤 医薬品インタビューフォーム/ファイザー株式会社 :PDF
この実験によると、シルデナフィルは他のPDEに対して、PDE5に対してのみ有効に働きかけます。
カマグラの添付文書でも、PDE1に対しては1/80、PDE2・PDE3・PDE4に対しては 1/1000以下の効果と記載されているのです。
このことから、PDEへの働きは、カマグラとバイアグラは同様と考えられます。
カマグラの副作用・青視症はシルデナフィルのPDE6への影響
カマグラの副作用”青視症”は、シルデナフィルがPDE6に影響を与えることで、発生するのです。
しかし、カマグラによる青視症は発症する可能性は低く、発症してもすぐに改善します。
青視症は、カマグラの副作用の1つで、視界が一時的に青く見えるのです。
上記表では、シルデナフィルのPDE6への影響は1/10で、他と比べて高くなっています。
PDE6はPDE5と構造が似ているため、シルデナフィルの影響を受けやすいのです。
そのため、カマグラを服用した際に、PDE5だけでなく、PDE6の働きも抑制し、青視症を発症させます。
PDE6は、視界から青色の視線をカットする役割を担っているのです。
カマグラによる青視症はすぐに治ると言われていますが、もし不安がある場合は、念のため眼科の診察を受けましょう。
まとめ
カマグラは、PDE5に対して強く力を発揮します。しかし、同時にPDE6にも影響を与えてしまい、稀に青視症を発生させてしまうのです。